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<p>B5サイズ/本文フルカラー/23ページ</p> <p>雲ノ平山荘で行われたAIR滞在中に取材した水彩スケッチ集。</p> <p>以下、AIRプログラム本文より引用。</p> <p>今年も雲ノ平山荘ではアーティストインレジデンスプログラムを開催します。<br /> 本プログラムは「アートを通じて社会と自然環境の調和をデザインする試み」として2020年からスタートしました。初年度となった昨年はコロナ禍に見舞われる中ではありましたが、日本各地から7名の多彩なアーティストたちを迎え、充実した活動を展開することができました。(活動の様子は別途Webページに掲載しています。)<br /> また、今春には参加アーティストたちの協力を得て、アウトドアの日用品を制作するブランド「nubis umbra ヌービス・ウンブラ」を始動します。雲ノ平の自然の息吹をまとったプロダクトデザインを社会に投げかけることで、より多くの人が新しい視点で自然環境に向き合うきっかけになれば幸いです。また、ブランドの利益の一部をアーティストに還元することで、アーティストが自然の中で制作する環境の拡充に寄与していきたいと考えています。</p> <p>山をめぐる表現活動に、もっと多様性があっても良いのではないか?という思いがこの計画の根底にあります。</p> <p>日本の自然環境は世界の中でも指折りの豊かさを誇り、生物の多様性や景観の美しさの面でも非常に優れた特徴を持っています。また、江戸時代以前の日本は、木造建築文化や茶道、花道、陶芸や漆芸といった多彩な工芸など、豊かな自然の資源を生かした独自の文化で彩られていました。しかし、20世紀以降の近代化の流れの中で、古い文化は急速に放棄され、「殖産興業」に傾倒するあまり近代思想としての自然保護運動も根付かなかったことで、現在は自然と人間社会の分断が著しい状況になってしまっています。</p> <p>年間1000万人に迫る莫大な数の登山者が利用する北アルプスのような国立公園でさえ予算や人材が欠乏し、自然保護の実践的なシステムが育たず、社会に自然の価値や魅力を発信するべき学問や芸術の分野も低迷する中、各地で山は荒廃が進んでいます。</p> <p>これも、アウトドアカルチャーが普遍的な文化、日常生活に根ざした自然観の領域まで根付いておらず、あくまでも「趣味」の一ジャンルとして扱われてきた弱さだと言えます。</p> <p>この状況を打開するにはどうすれば良いでしょうか?<br /> 言論活動として問題提起が必要な一方で、同時に求められるのは、より豊かな想像力を持ち、文化としての懐を深めていくことなのではないかと私たちは考えています。</p> <p>それは、経済の発展が自然環境や生活を破壊し、一方で自然保護派は現代社会を全否定する、という対立の連鎖ではなく、山と街、歴史と現代、生活や産業を緩やかなグラデーションでつなぎ合わせ、高次元に調和した環境を社会のデザインとして生み出すことです。<br /> 都会の喧騒を逃れて山を訪れるだけではなく、山で育んだイメージを都市の創造性に還元し、日常的により多くの人々が自然の価値について考える機会を作ることで、自然環境と都市空間の分断を解消していく。</p> <p>経済活動と自然環境は必ずしも矛盾するものではありません。むしろ持続可能な経済とは、人の幸福感や、世界の美しさを抜きにして語れるものではないはずです。</p> <p>こうしたことを理屈抜きに証明するためにこそ、芸術表現の発展は不可欠なのです。</p> <p>夜、雲の平の平原にたって目を閉じれば、そばにあるのは、空と大地だけ。街灯りはなく、あたりは山々の影が冷厳とそびえ、谷底からは太古の昔と変わらない黒部川の沢の音がかすかに聴こえてくる。夜明けには、鳥たちのさえずりが薄明の中新しい一日の到来を告げ、日の出とともに湧き上がる谷風は花々をそっと揺り起こす…<br /> 雲ノ平はあるがままの自然のエッセンスを表現者の精神に取り込むのに、この上ない環境だと言えるでしょう。</p> <p>自然の存在は、あらゆる芸術の根源的な衝動を孕んでいます。<br /> 無限の色彩、大地の豊穣、圧倒的な破壊をもたらす地殻変動、死と再生の森。そのダイナミズムは古代文明の呪術的な宗教美術からコンテンポラリーアート、生活の道具から商業デザイン、念仏からクラシック音楽、パンクロックに至るまで、全ての芸術活動を内包していると言っても過言ではありません。<br /> 人と自然の触れ合うところに常に、アートは生まれてきたのです。</p> <p>山小屋が、人と自然の新しい関係性を創造する基地として、最大限生かされるためにはどうすれば良いのか。その想いから今回の「雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンス・プログラム」は生まれました。<br /> こうした小さな一歩が、手詰まり感のある国立公園問題や、アウトドアカルチャーの持続可能性にとっても、ポジティブな刺激になることを願っています。</p> <p>絵画、写真、グラフィックアート、建築、文学など、あらゆる分野の表現が対象となります。<br /> もちろん「明るくて優しい」表現である必要もなく、暗く激しい表現も歓迎します。</p> <p>雲ノ平の自然から、みなさんなりの新しい表現を引き出していただければ嬉しい限りです。</p> <p>多くの方の応募を心からお待ちしています。</p> <p>-----</p> <p>原口みなみ</p> <p>1990年大阪生まれ。2016年京都市立芸術大学院修士過程修了。日常にある些細なものを象徴化する作品制作を行う。表現方法は平面絵画からインスタレーションまで多岐に及ぶが、近年ではモチーフをデジタルドローイングし、切り紙でコラージュや粘土で立体化、それを油絵にするという媒体を何度も移りかえていく表現技法をとる。主な個展に「シンボルとジャンク」福住画廊 / 大阪(2021)、「ハイ・ヌーン・カウンター」福住画廊 / 大阪(2018)、グループ展に「PLAY」Yoshiaki Inoue Gallery / 大阪(2022)、「それぞれについて、」galleryTOWED / 東京(2021)、「台灣當代一年展」台北花博公園爭艷館 / 台湾(2019)などがある。</p>画面が切り替わりますので、しばらくお待ち下さい。 ※ご購入は、楽天kobo商品ページからお願いします。※切り替わらない場合は、こちら をクリックして下さい。 ※このページからは注文できません。